こんにちは。
突出した人が多いユダヤ人。どんな教育をしているのかについて書かれた本もたくさん出版されていますよね。
調べていくうちに、「ユダヤ人には5000年の歴史の中で培われた知恵の結晶がある」ということを知りました。
その名も、タルムード(Talmud)。
これは、ユダヤ教の教えや生活の知恵、哲学が記された文献です。
なんと古代から続くこの文献には、**現代を生きる私たちにも役立つ“生き方のヒント”**が詰まっているのです。
「人間って、今も昔も本質はそんなに変わらないんだな」と、心から感じました。
今回はその中でも、特に心に残った部分をご紹介します。
ユダヤ人とタルムード ― 5000年の知恵が息づく社会
「金持ち」「天才」「商売上手」。
これは私の中にある、ちょっとステレオタイプなユダヤ人のイメージです。
もちろん、すべてのユダヤ人がそうというわけではありません。
ですが、ユダヤ人社会の中には、確かに秀でた人物が多いのも事実です。
その秘密の一端を支えるのが、**ラビ(Rabbi)**と呼ばれるユダヤ人社会の知恵者たち。
彼らは人々の精神的支柱であり、お金や家庭、人間関係など、あらゆる相談を受けます。
そして、そのラビたちが知恵を借りるのが――タルムード。
これはユダヤ人の5000年の歴史と経験が詰まった、知識の宝庫なのです。
【タルムードに学ぶ】子育ての知恵5選
タルムードには、現代の子育てに役立つヒントがいくつも登場します。
たとえば、以下のような教えがあります。
- 子どもを育てるときに差別をしてはいけない。
- 幼いときは厳しく、大きくなったら叱らない。
- 怖がらせるような叱り方はNG。叱るなら一度だけ。
- 子どもは親の話し方を真似する。性格にも表れる。
- 子どもに約束したことは必ず守る。守らなければ、ウソを教えることになる。
どれもシンプルですが、親として忘れてはいけない本質が詰まっています。
【人生の名言】「最も人を傷つけるのは、カラの財布」
タルムードには、こんな印象的な言葉もあります。
「人を傷つけるものが三つある。
悩み、いさかい、カラの財布。
最も人を傷つけるのは、カラの財布である。」
私自身、子どものころ両親がお金のことでよくケンカしていたことを思い出しました。
夜、お金の話で言い争う声が聞こえて、不安で眠れなかったこともありました。
お金には、人の感情や関係性に大きな影響を与える力があります。
安心や安定をもたらす一方で、不安や争いを生む原因にもなる。
「カラの財布」が人間をどれほど追い詰めるのか、
あらためて深くうなずかされる一節です。
【親子の知恵】嫁ぐ娘に贈る「賢い母の言葉」
タルムードには、結婚を控えた娘に向けた、母の知恵の言葉もあります。
まるで“夫婦関係の教科書”のような内容で、とても感銘を受けました。
「娘よ、夫を王のように尊敬すれば、
夫はあなたを女王のように大切にする。
でも、あなたが奴隷のようにふるまえば、
夫もあなたをそう扱うだろう。」
これは、相手への接し方がそのまま自分に返ってくるという教えです。
さらに続きます:
「自分のことばかり大事にして、夫を手伝うのが嫌なら、
夫はあなたを女中のように扱うかもしれない。」
夫婦は一方通行ではなく、お互いの支え合いがあってこそ成立するもの。
母はそのバランスの大切さを娘に教えているのです。
「夫が友人を訪ねるときは身だしなみを整えて送り出し、
家に来たら丁寧にもてなして。」
このような細やかな気配りが、家庭の雰囲気を良くし、
結果として夫婦の信頼関係を築くことにつながる――そんな知恵が込められています。
「家のことに気を配り、夫の持ち物を大事にすれば、
夫はあなたに冠をささげて、女王のように扱うでしょう。」
この言葉には、家庭を共につくっていく覚悟と愛情が込められています。
夫婦は「二人の個人」ではなく、「ひとつの家族・共同体」を築くパートナーなのだという視点が、大切なのだとあらためて感じました。
終わりに ― 5000年の知恵が、今の私たちを導く
タルムードには、宗教や文化を越えて通じる人間の本質に関する知恵が詰まっています。
子育て、夫婦関係、経済問題……どのテーマも現代に直結する内容ばかりです。
悩みに対する向き合い方、一貫性、公正さ、優しさと厳しさのバランス。
そうした一貫した教えがあるからこそ、際立つユダヤ人たちの知性と人間力が育まれてきたのだろうなと感じます。
5000年という時を超えてなお色あせない、タルムードの教え。
ぜひ一度、その奥深さに触れてみてくださいね。
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