我が子が高校受験の年を迎えた。ふと、自分の高校受験の頃を思い出す。
田舎育ちの私は、選択肢が少なく、受験はシンプルだった。
成績に応じて進学先が決まるような環境で、母が「この学校に行ってくれたら嬉しい」と言っていた進学校を目指した。
成績的にかなり背伸びした学校だったけど、「ここに入ればいいんだ」と迷いはなかった。
なんとか合格したものの、進学校の現実は厳しかった。
尋常じゃない課題の量、周りはみんな優秀な子ばかりで、中学時代にいた「課題なんてやらない勢」は皆無。
私は逆に、その「やらない勢」にシフトしてしまった。(>_<)
「勉強なんて意味ない! 好きなことをやる!」を言い訳に殻に閉じこもり、高校卒業後は都会の藻屑と消えた。
よく聞く話です…。
そうなると、つるむ人も変わってくる。
「マナーって何?」みたいな自由奔放な人たち。社会にNOを突きつける彼らと過ごすことで、当時は自分の居場所を見つけた気がしてた。
でも、実際はそうじゃなかった。
結局、自分は“自分以上”にも“自分以下”にもなれなかった。ただ、自分であるしかなかったんですよね。
無理をした結果、私はつぶれた。だからこそ、子供には「地に足をつけて、等身大で生きてほしい」と願う。そのためには、日頃から自分の器を少しずつでも知っておくことが大切だと思う。
それを踏まえて、子供の高校受験を前に、考えたいポイントをまとめてみた。

◆志望校選び:背伸びしすぎていないか
余裕を持って合格できる学校を基準に作戦を立てることにした。
よく考えれば、受験で勉強は終りなわけじゃなく、受験状態がその後も続いて行く。
だって、おんなじレベルの生徒が集うんだから。
ギリギリで合格した学校だと、3年間ずっと100%の力を出し続けても、スタートラインから抜け出せないかもしれない。高校の勉強は片手間ではいかなかった。
日々勉強してもまったく前に進まない。強靭なメンタルを持つ人なら越えていけるかもしれないけど、そんな追い込まれた状況は、望まないなぁ。
おそらく塾の先生は、よりレベルの高い高校を狙わせる…イメージがある(笑)
それを鵜呑みにせず、先生の意見は参考程度に。
◆交通アクセス:3年間の通学、負担は減らしたい
毎日1時間も2時間も電車に乗って通うのは、かなりの負担。
うちの旦那さんは、自転車で片道1時間かけて高校に通っていたそうだが、昨今の気象状況を考えると現実的ではない。
忍耐強く通う事で得られるものもあるかもしれません。でも気力は人によって量が違います。
満員電車で消耗して、勉強する気力がなくなってしまう子もいるはず。
うちは自力で通える範囲。親の送迎を前提としないことにしました。
一度、実際の通学ルートを試してみるのも大事だと思う。3年間続けて負担にならないのかと。
◆勉強以外の活動の場があるか:勉強だけにしない
勉強という1柱だけじゃなく、部活や学校行事などに参加することで
交流が広がる。たとえクラスに馴染めなくても、部活で息を吹き返せるかもしれない。
複数の居場所が持てることで、学校への愛着も深まりやすい。
「いい学校」への憧れと現実、子供の「等身大」を受け止める
志望校を考える中で、やっぱり親としては「学力的にいい学校」への憧れもあります(笑)。でも、それが本当にその子にとっての“いい高校生活”につながるかは、また別の話。
いい学校=充実した学生生活とは限らない。
高校合格はゴールではなく、中間ポイント。その先の高校生活や将来の進路を見据えて、子供が「こんな風に生きたい」とぼんやりイメージできるくらいの気持ちのゆとりがあってほしい。
もちろん、優秀な子たちに囲まれて発奮して伸びるタイプの子もいます。でもその逆に、自信をなくしてしまうこともある。
そのお子さんの性格があるので一概には言えませんが、うちは「超背伸びしないと届かない」より、「少し頑張れば手が届く」を続ける方が性に合っている気がします。どんな学校生活を送りたいか、そんなことを親子で話す時間も、大切にしたいなと思います。
そして最近感じるのは、親が思う以上に、今の子どもたちは“自分”をよくわかっている、ということ。
遠回りしなくても、自分なりのスタイルを見つけようとしている。
でもそれが、大人の「いいね!」とズレていることもありますよね。
例えば、「勉強ばかりしたくない」とか、「このレベルくらいでいい」とか。
親としては、もっとがんばれよ!と言いたくなることもあるけれど、
そこで「そんなんじゃダメだ!」「社会でやっていけないぞ!」と一蹴するのではなく、
「そんな時もあるある」くらいに受け流して、少し距離を置いて見守るのも一つの関わり方だと思います。
子どもが自分で「これじゃダメだ」と気づいた時、ぐっと成長できるはず。
親は、その“気づきの瞬間”を忍耐強く待つしかないんだと思います。
結局、親として子どもに「自分以上のこと」は教えられない。
だからこそ、私たち親が毎日を楽しく、前向きに過ごす姿を見せるのが、一番の教育になるのかな、なんて思っています。
最後に
受験生の親御さん、毎日サポートお疲れ様です! 高校受験は、親子で乗り越える大きな節目。
子どもの「今の力」を信じながら、「未来の選択肢」を広げる手助けをしていきたいですね。
私自身への戒めも込めて。親が先走らず、寄り添う受験を目指したいと思います。
皆さんの体験やご意見もぜひ教えてください。一緒にがんばりましょう!
今しかないこの時間が、きっと親子の宝物になると信じて。
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