先日、自転車に乗って踏切の前で待っていたときのこと。
電車が駅の手前で止まってしまい、なかなか踏切が開かない。
のんびり待っていると、突然、空からザーッと雨が降り出した。
「うわーまじか!」と雨に打たれていると
隣で同じく踏切を待っていたおばあちゃんが、
「濡れちゃうよ」と声をかけてくれた。
そして、まるで当たり前のように、
私を自分の傘の中に入れてくれたのだ。
「大丈夫ですよ」と遠慮しても、
おばあちゃんは優しく笑いながら傘を差し続けてくれる。
さらには、ずり落ちていた私のアームカバーをそっと直してくれて、
ちょっと恥ずかしかったけど、なんだか温かい気持ちになった。
踏切は何かトラブルがあったのか、なかなか開かない。
それでもおばあちゃんは、私が濡れないようにずっと傘を傾けて守ってくれた。
ようやく踏切が開き、「ありがとうございました。おかげで濡れずにすみました」とお礼を言って自転車をこぎ出すと、
いつの間にか雨はピタリとやんでいた。まるでその優しさに応えるように。
知らない私に、こんなにも優しくしてくれる人がいる。
普段、人が多い場所が苦手で、つい「面倒だな」なんて思ってしまう自分が、少し恥ずかしくなった。
そして、なんだかそのおばあちゃんの姿が、母と重なって、
胸の奥がじんわりと熱くなった。
この温かい気持ちを、忘れたくなくて…。
だから、こうやってここに書き留めてみた。
今夜、お母さんに電話しよう。
用事なんてなくていいんだよね。
踏切のおばあちゃんからもらった温かい気持ち、皆さんにも届くといいな。
そして、もしよければ――ほんの一言でも、大切な人に、小さなやさしさを届けてみませんか。
その優しさがリレーのようにつながって、温かい心の輪が広がっていったら…きっと、素敵な世界になると思うのです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
それでは、また!
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