子どもにとって、親との関係は一生ついてまわるもののようです。
お恥ずかしながら、私自身、かつては親を恨んでいました。
ひとりで無茶苦茶な暮らしをしていた若い頃。
親にはほとんど連絡も取らず、実家にも帰らず。
このまま他人のように生きていこうと思っていましたが、
結婚し、子どもを育てる番になったとき、不意に感情が溢れました。
「どうして? どうして? あれが嫌だった、なんであんなことを?
お母さんのせいで! お父さんのせいで!」
感情に任せて電話口でぶつけた私に、母はこう言いました。
「そんな風に思っていたんだね、ごめんなさい。」
……沈黙。
今なら分かります。
お父さんもお母さんも、一人の人間。
そのときそのときの精一杯でやってくれていたんだよね。
ワガママばかり言ってごめんなさい、なんて気持ちにも、少しだけなれました。
こんなふうに、大人になって和解できるなら、それはそれで素晴らしい。
でも、できれば、こじらせない方がもっといい。
親子関係は、学生時代の友達や仕事の縁と違って、簡単には疎遠になれません。
多くの親は、子どものことを大切に思っています。
だからこそ「親のせいで!」という誤解は、ない方がいい。
「私なんか…」
「妹ばっかり…」
子どもの頃、親が絶対だった私は、そんな風に勝手に思い込んでしまいました。
実際には、親にそんなつもりはなかったのに。
先日読んだ本『思考のレッスン』に、
「子どもの頃の思考のクセが、大人になってからの現実に強く影響を与える」
と書かれていました。特に、親との関係が鍵になるそうです。
何事も否定的にとってしまう、前向きな気持ちになれないという人は、
小さい頃の親との関係までさかのぼってみると、その手がかりが見つかるかもしれません。
絡まっていた親との関係をほどくと、急に何事もうまく行きだすこともあるようです。
この本の中で印象的だったのは、「親に自分の長所を聞く」というワーク。
親が子どもに対して思っている「いいところ」を伝えることで、
子どもは「私は大切にされている」と、自己肯定感を育てていけるのだそうです。
そうか、子どもに「ちゃんと見ているよ」ということを伝えるといいんだなぁ。
私は、親の「本当は大切に思っていた」という気持ちに気づけませんでした。
だからこじらせて、自分も親も責めてしまった。
若くてエネルギーのある時間を、いじけて、もったいなく過ごしてしまった。
身の回りの世話だけでは、愛情は伝わりにくいのかもしれない。
ここまで育ててもらって言うのもなんだけど、当時は「ほとんど放置されてた」と思ってた(笑)
親とも子どもとも、いい関係を続けていきたいなぁ。
気持ちが伝わるように、今年は子どもの誕生日に手紙を書くことにしました。
親にも、バースデーカードとして手紙を送ろう。
息子よ、娘よ。
私のもとに生まれてきてくれて、ありがとう。
母は、見た目は立派なおばちゃんかもしれないけど、
中身はあなたたちとあんまり変わらない。
毎日、失敗ばかり。でも、それなりに楽しい人生です。
人の目を気にしてしまう私たちに必要なのは、ちょっと肩の力を抜くことなのかな。
(抜きすぎなところもあるけど…)
これからも、母はトンチンカンなことをすると思います。
イライラさせることもあるでしょう。だから、先に謝っておくね。
ごめんなさい。
子どもたちのおかげで、母も少しずつ成長させてもらっています。
あなたたちが生まれてから、人生の楽しみは2倍になりました。
何もない日が、あなたと話すことで、とんでもなく面白い1日になります。
毎日、温かい時間をありがとう。
もし困ったことがあったら(なくても)、いつでも話してね。
世界は広いから、何とでもなるよ。
すべての子ども達、そして子どもだった私たちが、自分を許せますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今日も、心あたたまる一日になりますように。
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