日本の魂をつなぐ、物語の力 ―ラノベ古事記―

【読書】の記録
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ある日、こんな言葉に出会った。
「神話を忘れた民族は100年以内に滅ぶ」

何で神話?と疑問だったが
その答えはユヴァル・ノア・ハラリ著「人類の物語」に書いてあった。

ユヴァル・ノア・ハラリさんによると、
人間が小さな村から
国家という大きな共同体へと発展できたのは、
「物語の力」があったからだそうだ。

「悪いことをしたら地獄に落ちる」とか、「これはお金で、皆で信じることで価値が生まれる」とか。
そんな“共通の物語”を信じることで、秩序が生まれ、社会がまとまっていった。

同じものを信じることで、国が維持できるということらしい。

昔は本なんてなかったはずだから、物語は親や師から語り継がれたのだろう。
それが神話だったのかもしれない。

私は、神話なんて聞いた覚えはないけれど、「昔話」はよく聞いた。
アニメでも人形劇でもやってた。

桃太郎や一寸法師、花咲か爺さん…。
昔話では「悪いことはダメだよ」という教訓が、繰り返し語られてきた。

今私たちが”日本”で秩序ある社会に生きられているのは、
この「昔話」という物語が機能していたからなのかもしれない。

でも、最近はどうだろう?
昔話や神話を聞いて育つ子、どれくらいいるんだろう。

スマホやゲーム、SNSで育つ子が増えて、昔話の出番が減ってる気がする。
そうなると、教訓や信じるものを伝える「物語」が薄れて、ズルいことや自分勝手なことがまかり通る社会になっちゃう?そうだとしたら、ちょっと怖いよね。

もし、物語が「足りないものは奪えばいい」「力が全て」なんて話にすり替わったら、日本どうなるんだろう…。

「神話を忘れた民族は100年以内に滅ぶ」って、こういうことかも。

と不安になったけど、ちゃんと手は打たれていたようだ。
「ラノベ古事記」によって!

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民族を存続させるために、神話を現代風にリメイクするとは・・・さすが日本人。
そうだよ、伝わってこそ神話。難解な古典の表現も「ラノベ」ならわかりやすいんじゃないか。

と、初めての古事記をワクワクしながら読んでみたら


…え、8割”痴話”!?(笑)


見ないでとあんなにお願いされているのに、見て減滅とか、
子どもを海に流すとか
あっちこっちで妻を作るとか


こ…これが……私たちのルーツ?!
おもてたんと違ーう(笑)めっちゃ人間臭い!


先祖に親しみがわいた。(シャララン♪)←好感度UPの音


そういえば、昔の文学って、古今和歌集も源氏物語も、恋愛とか人間ドラマ満載だったよね。
昔の人もこういう話で盛り上がって、そして神話は伝えられてきたのかもしれないなぁ。

日本ってやっぱり愉快な国だな~。

おおごとだけど、おおごとにしない。
さらりさらりと流して行く。
古事記のどっしりした人間臭さが、日本人の魂を作ってきたのかもしれない。

この魂、続いてほしい。

私たちが後期高齢者になったころ、

「世は再び
暴力が支配する時代になっていた!」

「不幸な時代だ!善人ほど早死にする!!」

なんて、北斗の拳の世界が現実にならないように。

今こそ、「ラノベ古事記」を読むしかない!
日本は、やっぱりおおらかで、愉快な国。好き🥰

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