我が魂が覚醒を果たしたのは、一冊の書を手に取ったときだった。
その名は──《東大式時間術》。
著者は、日出ずる国の知の最高峰を極めし者。
その男が放った一文は、我が精神を雷のごとく撃ち抜いた。
「スマホを見えないところに置け。」
ッッ……!!! ぐはぁッ(吐血)
……これしかない。真理とは往々にして、冗長を嫌う。
世の中に「時間がない」という病がはびこる原因。
これがすべてだったのだ。
横で「私はタブレットだし〜」と囁いた娘よ……
貴様もまた、次元の狭間に生きる者か……放っておこう。
あまりにシンプルすぎて嘲笑う者もいるだろう。
だが皆も気づいているはずだ。
この言葉こそ──
お釈迦様が垂らした蜘蛛の糸のごとく、“知恵ある者の慈悲”であり、“怠惰に堕ちた我ら”への最後の導きなのだ。
ITテクノロジー企業に属する親たちは、その代償の大きさを危惧し、
自らの子どもたちには、デジタルデバイスの使用を厳しく制限しているという。
なぜなら、かの者たちは、それを操り《ビジネス》という名の支配構造を築き上げているからだ。
我ら一般ピーポーは、その真実に目を向けず、
「わぁ!」「きゃぁ!」と喜びの叫びを上げながら、
ただ“時間”という名の魂を捧げている。
我らは、ただ消費されるだけの存在なのか──?
幸いなることに、我がスマホはいにしえの物ゆえに、すぐに充電が尽きる呪いにかけられておる。
ゆえに外では、少しだけ自由を得られる……
だが──家では、子らが“動画地獄”に堕ちている。
ゲーム、YouTube、ネットの魔窟。彼らの魂もまた、チューチュー吸われ続けているのだ。
デジタルデバイスを使用中の彼らは静かで助かる。
それに甘え、子らに向き合う時間を減らしてしまった。
さらに“良き母”という歪んだ幻想を追い続けた結果、
気づけば彼らの道を整えすぎていた。
彼らが生活力を身に着ける時間は必要なくなり、余った時間はスマホへと向かう。
その果てに待つのは——
《生活力なき世界》。
『子どもは勉強が仕事』?
否!!!
学びも、仕事も、スマホも!すべては“生活”という大いなる世界の中の一部。
生活力こそが、子どもの人生を構築する、真なる基礎魔法陣なのだ。
そして結論に至る。
子どものスマホ漬け、その責任は、我にある。
📜ゆえに、我はスマホの封印術を行うことにした。
これは子どものために非ず。
己の魂を救済するための儀式である。
我が救われれば、おのずと、子らも生還するであろう……
🔹《四つの封印術》をここに記す──
第一封印:スマホの間を設けよ
引き出し、クローゼット、戸棚の一角……
そこに“スマホ”の定位置を与えること。まるで《財布の布団》のごとく丁重にな。
訳)スマホの定位置を作ろう。リスペクトを込めて丁寧に保管しよう。

第二封印:触れてはならぬ時を定めよ
我が契約内容は以下の通り:
・朝、目覚めし後、スマホは禁
・風呂上がり以降、スマホは触れぬ
・眠りへ至る2刻前、スマホは封印の間へ戻すこと
訳)私は朝の時間、お風呂に入った後、寝る2時間前からはスマホに触らないと決めている。
第三封印:思考の囁きを記録せよ
突如湧き上がる“検索衝動”は、書に記し、あとでまとめて処理せよ。
魔法使いは即座に術を放たぬ。構築と詠唱が肝要なり。
訳)調べたいことはメモっておいて、あとでまとめて検索する。
第四封印:混沌を清めよ
床や棚に放置された物体群は、精神に悪影響を及ぼす。
視界の“乱れ”は意識の“乱れ”。空間を整えし者こそ、思考を制し、
《創造》を開始する者なり。
訳)部屋が汚いとストレスになり、現実逃避してスマホを見てしまう。床や棚の上に置かれた物を片付ければ、部屋も気持ちもスッキリして、意欲が出てくる。

📉ちなみに、我がスクリーンタイム──7時間也。
(ほぼすべての覚醒時間、我は呪いに侵されていたことになる)
恥。だが、受け入れよう。
ここからが、本当の再誕(リボーン)だ。
スマホは、高スペックなる友人。
彼らはアップデートをいとも容易く行い、24時間戦える。
だが我は、人間。
限界ある肉体を持ち、魂の輝きには保守が必要。
節度なきスマホ使用は、魂を摩耗させ、肉体を崩壊させる。
人生第四十章を大きく越えた今。我は、衰えを感じている……
身体は、動かさねば硬化し、心もまた萎縮する。
だからこそ、“スマホ以外の時間”を創造するのだ。
画面の外にある、この世界の美しさを、
忘れたくはない──
🚶♀️歩けるうちは、歩け。
心が呼んでいる限り、この世界を見よ。
スマホとの契約、それは破棄ではなく《節度》の誓い。
我が盟友たちよ……この書を胸に刻め……
共に、《現実世界》へ還ろう……!
(つづく……のか?)
最後までお付きあいいただき、ありがとうございます😊
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